今回は新規事業を立ち上げる際の
視点をご紹介します。

弊社ではここ数ヶ月で新規事業を
2つ立ち上げました。

1つはWebサイトにものせている
「事業承継事業」です。

もう1つはWebサイトに出して
いませんが、市場規模が数千万程度の
小さいマーケットを狙ったものです。

新規事業の着目ポイント

中間プロセスの排除

中間マージンを得ている会社を
飛ばしてビジネスを構築すると
いうものです。

最近だとUberやAirbnbが目立って
います。

これらはタクシー会社やホテル会社を
飛ばして個人がビジネスできるように
なるものです。

また、スタートアップ系ですと
「Ancar」というサービスは地域の
モータース等を束ねることで、

既存の自動車販売ディーラーを飛ばして
中間マージンをなくし、

車を売る人は高く、買う人は安く
買える仕組みを構築しています。

少し解説しますが、自動車販売
ディーラーは基本的に大量の在庫を
持たなくてすむように、

その上には金融ビジネスともいえる
会社が大量に在庫を抱えることで
中間マージンをとっています。

ビジネスマンにとっての身近な例をあげると、

対企業間において複数社で
打ち合わせ日程を調整する際に
電話やメールのやりとりを何度もしないと
アポイントが決まらないということがありますが、

LINEグループ等のSNSでやりとりすることで、
「電話やメール」というプロセスをカットする、
など、中間プロセスの排除視点でのビジネスチャンスは
無限にあります。

休眠リソースの有効活用

これまで価値を生み出せなかった
リソースが、情報化によって
資産としてビジネスになるものです。

クラウドワークス、ランサーズ系は
空き時間の活用、メルカリは休眠していた
洋服を簡単に売り買い
できるようにする仕組みです。

弊社の2つ目の新規事業も詳細は
差し控えますが、高齢者とWebを繋げる
ビジネスで、これに該当します。

高齢者が働こうと思った場合、
公的な機関としてはシルバー人材センターが
存在しますが、これは「ローカルリアル」×
「高齢者」ビジネスです。

弊社が立ち上げたのは
高齢者のリソースを活用して
Webで展開する、

といったことに着目したものであり、
これから増えていく高齢者を活用し
新たなマーケットを開拓する、という
ことをしていこうと思っています。
(追記 2018年9月リリースし、2019年2月時点で
月額30万の売上を超えました。なにもしなくても入ってくる
売上なので、弊社としては大きな一歩です。
まだまだ小さいですが、温めていきたいと思います。)

ブルーオーシャン戦略

INSEAD(欧州経営大学院)教授の
W・チャン・キム、レネ・モボルニュ
が著したビジネス書に書かれている
日本でも有名な戦略です。

競争の激しい市場を

「レッドオーシャン(赤い海、または
血で血を洗う競争の激しい領域)」

とし、また

競争のない未開拓市場を

「ブルー・オーシャン(青い海、
競合相手のいない領域)」

と定義した上で、「ブルーオーシャン」を
狙ってビジネスを立ち上げるという
考え方です。

簡単に言えば

競合がいない、新しい市場、拡大マーケット

を狙う戦略ということです。

弊社の新規事業である「事業承継」は、
日本経済全体としてはシュリンク(縮小)
していますが、明らかに拡大して
いきますので、

事業承継事業はまさにブルーオーシャン
戦略といえます。
※高齢化が進む福井県において、
高齢化していく経営者の数に比べて
競合が少なそうだ、という目論見です。

プロダクトアウトorマーケットイン

福井県は繊維やメガネ、和紙
といった製造が強い地域です。

製造が強い地域では、
これをどうすれば売れるか、
といった商品ありきの思考に
なりがちです。

これは「プロダクトアウト」型といって
商品があるからそれをどうビジネスにするか、
という視点です。

一方で、これから求められる視点として
「マーケットイン」があります。

「マーケットイン」とは、
市場にこんな課題があるから
今の世の中にはないからこういったサービスを
作ればビジネスとして成立するはずだ、
という考え方です。

破壊的イノベーション

ハーバード・ビジネス・スクールの
教授であるクレイトン・クリステンセン著
「イノベーションのジレンマ」という本を
はじめ論じていますが、

大企業が業界から消えてしまうのを
理論的に記されています。

例えばハイスペックな商品の市場に
ロースペック、または機能が限定的では
あるが、必要十分な機能を備えた商品を
圧倒的な価格で投入し、市場を破壊する
ビジネスです。

簡単に言うと、
大手は高い人件費をはじめとした
固定費がある以上、それに見合うビジネス
以外はやりづらいため、小さい利益を
取りに行く、という動きが取りづらい、
という前提を逆手にとった視点です。

残存者利得

例えば煙草が吸えるスペースが減っているような、
市場が縮んでいく市場を独占することで利益を得ると
いう視点です。

マーケットが膨らんでいくビジネスを
立ち上げることが儲かりそうだと思われがちですが、
競合が乱立するため、意外と成功しないことも
多いです。

情報の集約

価格.com、Naverまとめなど、
情報を調べるのが消費者にとって
負担であったりするものを
まとめることで価値を生み出します。

個人的には他人のふんどしで
相撲を取る、的な発想なので
あまりワクワクはしないですが・・・

社会の課題の大きさ

これもよくある考え方ですが、
課題が大きいほど解決した時の
インパクトは大きく、解決してほしいと
思っている顧客は課題が大きいほど
大きなお金を払います。

弊社の経営理念の中にある

「社会の発展に貢献する」

というのは金もうけを前提とするものでは
もちろんありませんが、

課題を解決した結果、弊社も拡大していく、
といった狙いがないこともないです。

実行者がビジネスに愛情を持てるかどうか

ホリエモンこと堀江貴文氏の言葉ですが、
ビジネスに対し情熱をもって継続する原動力は

「愛情」

であり、戦略以前の重要なものです。

プロダクトの切り売り

例えば経理部分だけの自動化システムを
構築し、経理系のバックオフィス事業として
事業化する、といった考え方です。

ブランディング

弊社事務所がある福井県鯖江市は
メガネの産地です。
日本産のメガネのシェア96%を誇ります。
※起業してから関東に行く機会が
増えましたが、多くの人から
「メガネの鯖江ですね」と言われ
ブランドの大切さを再認識しました。

福井では他にも越前和紙、打ち刃物など
色んなブランドがあります。
もちろん中身が伴わないと全く意味をなしませんが、
ブランドがあるだけで価値が変わりますよね。

ブランドとは、単に表面的なデザインを変えるのではなく、

・ルーツ(なぜ出てきたのか)
・ヒストリー(なぜここまでに至ったかのドラマ)、
・ポリシー(何をゆずれないのか)

が重要だと言われています。

「ブランド」という言葉自体は、
私が知る限りだともともとは海外で例えば、
「ブラジル産のコーヒーはおいしい」といった
「産地」つまり「ルーツ」を表すものでした。

そこから派生してブランドはかっこいいものだとか、
高級品に使われるものなどど解釈されるように
なっているように感じます。

ネットワーク外部性(ネットワーク効果)

増えれば増えるほどサービス自体の価値が高まる性質を指します。
LINEや電話、スマホなどがわかりやすいのですが、
使う人が多くなればなるほどサービスが便利になっていき、
結果的に価値が高まっていくということです。

スケール(拡大)する際、労働集約にならないか

売上が伸びる際、売上の伸びに対して従業員の負担が
比例して伸びていかないようなビジネスモデルである
ことを意識する、という視点です。

その他

・オールドビジネスとITの掛け算
本質的にいいものを作ったりサービスを
提供している場合、

既存ビジネスにITを掛け算することで
市場が広がる、という考え方

・参入障壁
他社が参入できないコアな技術などを
持っておくことでビジネスが安定化する
という考え方

・本質的に価値のあるもの
現時点での売上は小さくとも、
本質的に価値のあるものは

拡大する可能性が大きい、

というものです。

逆に本質的に価値が低いものを
無理やり売って拡大したところで
長くは続かない、とも言えます。

最後に・・・

他にもいろんな切り口があると思いますが、
私の未熟な経営コンサルタント経験の
一例としてご紹介しました。

ご覧いただいている方の
新規事業を立ち上げる際の
一助になれば幸いです。