対馬にいってきました。
韓国から50kmほど、長崎県の北西にある人口28,000人が住んでいる島です。
島の90%が山、山、山、、、、自然にあふれるきれいな景色です。

素晴らしい自然と対比するように、対馬には日本一の量の海ごみが流れ着きます。
その量は年間で約30,000トン。

写真のプラスチックなどの下に見える砂のようなものがマイクロプラスチックです。

対馬は東シナと日本海の間に位置しており、
南北82キロにわたり広がっているため、あたかも防波堤のように
対馬海流にのった海ごみが漂着してしまう、という仕組みです。

110の漁業団体があり、ボランティアも含めて
回収できているゴミが年間 約8000トン。
内訳としては中国のゴミが40%、韓国のゴミが30%、残りは日本、マレーシアなど。
回収するにしても重機がはいれない場所が多く、ほとんどが手作業で回収。
人件費をかけて回収して、それ以上の売上、利益になる可能性は非常に低い。
船で福岡県まで5時間かかるため、ゴミを運ぶことは現実的ではない。

弊社は地球環境課題解決を掲げているので、
どうしても行きたい場所の一つでした。
ただ見たいというよりは、事業化できる可能性がないかという視点で
訪問したのですが、結論事業化は非常に難しい、と感じました。

海ごみは魚網、漁具が50パーセント
魚網はリサイクルが難しい。
漁網、漁具は海ごみの中でも自然分解されにくい。

青いポリタンクのようなものは年間10,000本(推計)流れ着きます。
韓国のりを育てるために必要なものだそうです。

リサイクルセンターを視察しました。
プラスチックは色別に分別 → チップにする → 販売など


パタゴニアでは対馬オーシャンプラスチックディスクとしてフリスビーを作っています。
こちらからご覧いただけます

アテンドいただいた対馬CAPPAさま、本当にありがとうございました。
対馬CAPPAさまのwebサイトはこちら

ツアーの最後にお話を伺った大切なことをいくつかまとめました。

CAPPAさまはあくまでNPO(ボランティア)ではなく
企業として海をきれいにする活動をしている。
収益は税金とツアー料金などで確保しているものの、一般的な企業のような売上、利益は出しづらい。
その中で海ごみだけを回収するということを仕事で行うことは
精神的に負担が大きいため、シーカヤック、海ごみ授業、海岸清掃などスタッフの方の
やりがいにも配慮されている。
働いている方の表情が、みなさんが楽しく、仕事に誇りをもって働いているように見えました。

海ごみは災害である。
ゴミを出しているのは対馬の人ではないが、誰かがやるしかない。どうせやるなら意義をもって前向きに取り組む。
韓国、中国に金銭的な援助をもとめるのも違う。
日本もハワイにゴミを大量に流している。
誰かの責任というものでもない。
プラスチックは便利で安い。人間全体の責任。

日本の中で地理的に韓国に最も近い島ということで
韓国人がビーチクリーンにくる交流(毎年50-70名?)を20年続けている。
政治的に日本と韓国がうまくいかないとき、
政治以外の国と国を橋渡しできる組織にもなりうる。

リサイクルにも大きなコストと負担がかかる。
廃プラを燃やして燃料にするサーマルリサイクルは
コスト面で現状採算があわない。
いまできることをやっていく。
埋め立てることもしているが埋め立てることができる場所も限られているため、
リサイクルの量を増やしていく必要がある。

直近で韓国大学生が1500名が視察したいと要望をもらっているが
宿泊先などが足りないため500-700名受け入れ予定。

〇現時点での解決策(根本解決にはならないが・・・)
一人でも多くの人に知ってもらう → 行動してもらう
少しでも多くリサイクルする → 少しでも高く買ってもらう
埋め立てる

バイオプラスチックなども数十年前から研究は進んでいるが、
コスト、強度などの面で普及が難しい。

興味がある方は対馬CAPPAさんに連絡し、行ってみてください。
平井にご連絡いただければいつでもご紹介もします!

環境問題解決により強く取り組みたいと改めて感じたツアーでした。
対馬CAPPAさん、本当にありがとうございました!!